事業用不動産の売却タイミングを見極めるコツ

2023.11.30 | ブログ 経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術

 

経営が厳しくなり、事業用不動産の売却を検討している経営者の方は多いでしょう。しかし、不動産の価値は市場の動向によって大きく変動します。

いつ売れば最も高く売れるのか、その判断は難しいものです。

本記事では、『経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術』から一部を紹介し、事業用不動産の売却タイミングを見極めるコツについて解説します。


日本経済の基盤となってきた「不動産」

日本は戦後からバブル期まで、長期にわたって不動産価格が上昇し続けました。人口増加や経済成長に伴って、不動産は実需に基づく堅実な資産として認識されてきました。

特に金融機関は、不動産や土地を担保として融資を行うことが多く、不動産は信頼性の高い資産として経済活動の基盤となりました。このように日本は「土地本位制」と呼ばれるほど、不動産に依存した経済体制を築いてきました。

しかし、バブル崩壊後はその状況が一変しました。【図表】を見てもわかるように、三大都市圏の地価は1991年をピークに急落し、その後も下降傾向が続いています。

近年はアベノミクス効果などで一時的に地価が上昇する場所もありますが、長期的な視点で見れば、不動産価格は右肩上がりで上昇するという「土地神話」は崩れてしまったと言えます。

【図表 三大都市のおける地価変動率の推移】


売り時を見極めるためには

まず、自分の事業用不動産がどれくらいの価値があるのかを正確に把握することが重要です。市場価格や取引事例などを参考にして、客観的な評価を得ることが必要です。また、自分の不動産に対する需要や競合状況も調べておくことが望ましいです。

次に、自分の経営状況やキャッシュフロー状況を考慮することが大切です。すぐにでも廃業して不動産を売却しなければならない状態であれば、市場価格よりも安く売却することもやむを得ないでしょう。しかし、数年以内に売却できればいいという余裕がある場合は、「売り時」を待つことも選択肢のひとつです。

「売り時」とは何かと言えば、市場全体の地価が上昇している時期や自分の不動産に対する需要が高まっている時期です。このような時期に売却すれば、元値や市場価格よりも高く売却することが可能です。

しかし、このような時期は予測するのが難しいものです。そこで、不動産の専門家やコンサルタントに相談することがおすすめです。彼らは不動産市場の動向や将来の見通しを分析して、最適な売却タイミングをアドバイスしてくれます。

事業用不動産の売却は、経営者にとって重要な経営判断のひとつです。市場の変化に敏感に対応し、自分の事業用不動産の価値を最大化するためには、売却タイミングを見極めるコツを身につけることが必要です。