不動産売却の際に気をつけたい金融機関の本音
事業用不動産を売却するとき、金融機関の意見に左右されてしまうことはありませんか?金融機関は、自分たちの利益を最優先に考えています。
そのため、経営者の本当のニーズに応えてくれるとは限りません。
この記事では、金融機関の思惑を理解し、不動産売却の際に注意すべきポイントをお伝えします。
金融機関は不動産を担保にしてお金を貸すことが多い
金融機関は、不動産売却に関わる重要なステークホルダーです。経営者は、事業を拡大するために金融機関から融資を受けたり、経営が苦しくなると運転資金を借りたりします。
その際に、不動産を担保にすることが多いです。
金融機関は、不動産を担保にすることで、リスクを低減できます。不動産は、価値が安定しており、評価もしやすいからです。
また、抵当権を設定しておけば、経営者が勝手に売却できないので、安心です。
一方、在庫や売掛などの流動資産は、担保としては不安定です。在庫は、経営者が処分したり、価値が下がったりする可能性があります。売掛は、回収できるかどうかわかりません。
そのため、金融機関は、不動産を担保にしてお金を貸すのが好きです。不動産があれば、返済能力が低くても、お金を貸してくれることが多いです。
金融機関は不動産売却に反対することも多い
事業拡大のために融資を受けるのは、経営戦略の一つです。しかし、運転資金のために借りるのは、危険なサインです。
融資されたお金が、事業の成長につながらない場合、収益は増えません。返済能力も上がりません。その結果、金融機関への借金だけが増えていきます。
金融機関は、このような状況を見抜いていても、不動産が担保にある限り、融資を続けます。担当者は、融資の増額を勧めたり、返済の猶予を与えたりします。
しかし、不動産売却を検討する経営者に対しては、反対することが多いです。なぜなら、不動産売却によって、金融機関の利益が減るからです。
金融機関の利益とは、貸したお金に対する利息です。元本が減れば、利息も減ります。金融機関は、元本が減らないで、利息だけを払ってくれる経営者が好きです。
さらに、金融機関の担当者には、融資残高の目標があります。担当する事業者に対して、どれだけお金を貸しているかが、評価の基準になります。
元本の返済が進めば、融資残高が減ります。その分、新しい事業者を探したり、既存の事業者に融資を増やしたりしなければなりません。
しかし、新しい事業者や融資の増額を求める事業者は、なかなか見つかりません。見つかったとしても、事業計画や担保物件の価値を調べたり、稟議書を書いたりするのは、大変な作業です。
そのため、金融機関の担当者は、不動産売却を考える経営者に対して、「おすすめできない」と言うことが多いです。
経営者が廃業して不動産を売却しようとすると、「まだ頑張れますよ」と言って引き止めることもあります。
金融機関は、自分たちの利益を最優先に考えています。そのため、不動産売却には消極的です。不動産売却は、経営者の判断に基づいて行うべきです。
金融機関の意見に惑わされず、自分の事業の将来を見据えてください。