特に配慮すべき廃業通知のタイミング

2024.04.09 | ブログ 経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術

廃業は、経営者にとっても関係者にとっても大きな転機です。廃業の通知は、適切なタイミングと方法で行う必要があります。

今回は、廃業の通知を行う際に特に配慮すべき点を詳しく解説します。


未払金の返済に関する配慮

 

未払金

廃業のプロセスでは、取引先への未払金の返済が最も重要な課題の一つです。資産超過状態であれば、清算を通じて返済が可能ですが、負債超過の場合は、返済計画の策定が不可欠です。

取引先の経済状況によっては、未払金が原因で破産に至る可能性もあります。そのため、返済計画には、取引先の信頼を損なわないよう細心の注意を払う必要があります。

・未払金に関する交渉

未払金の返済に関する交渉では、双方の経済的な状況を考慮した上で、債権の縮小や返済スケジュールの変更を含む複数の選択肢を検討することが重要です。

事業用地の売却など、返済資金を確保するための具体的な計画を持っている場合は、その情報を交渉のテーブルに持ち込むことで、より円滑な話し合いが期待できます。

・売掛債権の回収交渉

売掛債権の回収は、未払い債務の返済に直結します。全額回収を目指すことが理想ですが、廃業による影響を考慮し、返済額や方法については柔軟な交渉が求められます。

回収が困難な債権に関しては、弁護士などの専門家のアドバイスを仰ぐことも有効です。

また、債権譲渡を通じて第三者に売却することも、迅速な資金調達の手段として検討する価値があります。


銀行との交渉における完済保証の重要性

金融機関との交渉では、抵当権の抹消が売却計画の成否を左右することがあります。金融機関の担当者が抵当権の抹消に応じない場合、売却計画は停滞します。

このような状況を打開するためには、完済を保証する証拠を積み上げることが不可欠です。返済が確実であることを客観的に示すことができれば、金融機関の対応も変わる可能性があります。

廃業は、多くの関係者に影響を及ぼすため、慎重な計画と配慮が必要です。

未払金の返済計画の策定、売掛債権の回収、金融機関との交渉など、廃業に伴う各種の課題には、適切な対応が求められます。

これらの課題を適切に管理することで、廃業のプロセスを円滑に進めることができるでしょう。

経営者としては、廃業を決断した際には、これらの点に注意を払い、関係者との信頼関係を保ちながら、次のステップに進むことが重要です。