「土地の分筆」で買主のニーズに応えて高値売却を実現する方法
不動産の高値売却には、土地の加工が欠かせません。前回は、土地の加工とは何か、どのようなメリットがあるかをお伝えしました。
今回は、具体的な加工方法の一つである「土地の分筆」について、その効果と手順をご紹介します。
分筆で多様な買主を惹きつける
高値売却をするためには、買主候補のニーズを把握し、そのニーズに合わせた不動産を提供することが大切です。
しかし、一つの土地に対してニーズは様々です。どうすればいいでしょうか?
答えは簡単です。土地を分筆して、ニーズの異なる買主にそれぞれ合った土地を売るのです。
例えば、1000坪の土地があったとします。このままでは、使い道が限られてしまいます。
しかし、この土地を道路沿いの500坪と奥側の300坪と200坪に分けるとどうでしょうか?
道路沿いの500坪は商業施設に適しています。奥側の300坪は通路を作って分譲地にすることができます。
200坪は医療クリニックに売ることができます。
このように分筆することで、ニーズの違う買主を多数集めることができます。
分筆で価格を上げる
分筆することで、買主のニーズに応えるだけでなく、価格も上げることができます。
先ほどの例で考えてみましょう。1000坪のままでは、3億円が相場です。しかし、分筆してそれぞれ売るとどうなるでしょうか?
商業施設用の500坪は坪60万円で売れます。医療クリニック用の200坪は坪30万円で売れます。分譲地用の300坪は坪40万円で売れます。
合計すると、4億8000万円になります。もともとの価格よりも6割増しです。分筆にかかった費用を差し引いても、大きな利益が出ます。
もちろん、分筆するだけではなく、土地の状態や形状に応じて他の加工も必要です。
例えば、傾斜している土地は平らにしたり、道路面より高い土地は低くしたりすることもあります。
土地の加工は、買主候補と面談しながら行うことが重要です。
買主候補のニーズや予算を聞き出し、最適な買主を見極めることができれば、高値売却への道が開けます。