土地売却の際に知っておきたい「目安価格」の算出方法 その1

2024.02.16 | ブログ 経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術

土地を売却するときには、どれくらいの価格で売れるかが気になると思います。しかし、土地の価格は様々な要素によって変動しますし、市場の動向も把握しづらいものです。

そこで、今回は土地売却の際に参考になる「目安価格」の算出方法についてご紹介します。


実勢価格よりも低めに設定される「路線価」、「固定資産税評価額」

不動産査定

 

⚫目安価格の算出方法① 路線価や固定資産税評価額をチェックする

「路線価」とは、国税庁が主要な道路沿いの土地の価格を公表するものです。相続税の計算に使われるもので、毎年1月1日時点の土地価格を反映しています。

路線価はその土地が面している道路の路線価を基に算定されます。

実際に取引される価格(実勢価格)の70~80%程度で設定されており、国税庁が運営する路線価図等閲覧コーナーから検索できます。

「固定資産税評価額」は固定資産税の納税額を決めるため、市町村が決める土地の価格です。

一般的には実勢価格の60~70%程度とされており、3年ごとに見直しが行われます。毎年届く固定資産税の納付書を見れば、自分が所有する土地の固定資産税評価額が分かります。

⚫目安価格の算出方法② 公示地価や基準地価をチェックする

「公示地価」は、国土交通省が毎年1回発表する土地の適正な価格です。全国26,000地点(令和5年)を住宅地や商業地などに分類して査定し、取引の指標となる価格を公表します。

査定を行うのは国から委託された不動産鑑定士で、近隣の取引事例や家賃などを参考にしています。

対象となるのは毎年1月1日時点の土地価格で、建物がある場合でも更地として評価されます。1平米あたりの価格が毎年3月に発表されます。

公示地価は不動産や土地の売買にあたって「適正価格」の基準となるほか、国や自治体が用地買収や賠償金額を決めるときにも使われます。

例えば、道路用地として民間の土地を買収する際には、公示地価を基に交渉や補償が行われます。

また、毎年公示地価が発表されると、経済状況を分析する記事がマスコミから発信されます。

公示地価は実勢価格の90%程度と高い精度を持つと言われています。


近隣の地価は国土交通省のホームページで確認できる

似たようなものに都道府県知事が発表する「基準地価」があります。公示地価と同じく、土地の価格を定点で算定し発表するものです。

こちらも毎年1回発表されますが、対象となるのは7月1日時点の土地価格です。

また、査定される土地も、公示地価が主に都市計画区域内を対象とするのに対し、基準地価は都市計画区域外も対象となります。

公示地価、基準地価ともに国土交通省のホームページから全地点を確認できます。近隣の価格を調べることで、売却したい土地の価格の目安を知ることができます。

公示地価や基準地価は市場での取引や賃貸市場の動向などを反映しているので、実勢価格に近い値が簡単に分かるのは便利です。

ただし、近隣で類似物件の取引が少ない場合には、公示地価や基準地価が参考にならないこともあります。

最終的に売却価格を決めるときには、不動産会社や不動産鑑定士に相談するのがベストです。